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聖林寺   

2011年 05月 20日

奈良県桜井市から、モミジで有名な談山神社へつずく道の途中の、村はずれの山の裾野に聖林寺はあった。小さな山寺という感じなのですが、こじんまりとした良いお寺で、本堂からの眺めは特に素晴らしい、正面に三輪山の冬景色ではあるが、美しいゆったりとした山容と、卑弥呼の墓ともいわれる、箸墓古墳などの大和盆地の古墳群、山辺の道等、日本文化の故郷の地を一望のもとに見渡すことができました。
目当ての国宝十一面観音菩薩立像は、本尊ではなく客仏であるため、本堂から長い階段の渡り通路を登った、観音堂に安置されていた。やさしげななかに、すこしかげりのあるようなお顔ですが、均整の取れた豊かな体で、像高209センチと、かなり背が高いのだが、威圧感はなく全体として、慈愛に満ちたやさしさと、仏としての厳しさを兼ね備えた、まさに日本を代表する仏像の一つでしょう。
渡岸寺、室生寺、観音寺につずき、国宝の十一面観音の参拝も四寺目です。さすがに国宝だけあって、いずれの観音様も素晴らしく、感動と共に参拝させていただきました。ただおしいことに、聖林寺の観音様は、ガラスごしの、正面からのみの参拝でした。室生寺や、観音寺のように、本堂や金堂といった、仏像として本来あるべき所での参拝とは異なり、美術品の鑑賞のように参拝せざるを得なかったのは、期待が大きく、期待どうりの見事なお姿だっただけに、すこし残念でした。
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by g-akasyoubin | 2011-05-20 20:48 | 古寺巡礼

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